なら学研究センター

奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所なら学研究センター

国際シンポジウム

COVID-19下における高齢者と地域社会:トルコと日本の事例を知ろう

 世界を同時におそったCOVID-19。
 このシンポジウムは、COVID-19という未曾有の事態を、世界の高齢者や地域社会がどのように経験し、どのようにそれに対したのか、を学びあう会として企画しました。話題を提供してくださるのはトルコと日本の研究者です。
 本学のなら学研究センターは、取り組むべき社会課題の一つとして高齢社会を挙げ、国内外の研究者と交流を続けています。海外では、奈良女子大とトルコのアクデニス大学のジェロントロジー学部と研究交流協定も結んでいます。
 トルコは、洋の東西の接点に位置する文化的にも歴史的にも大変興味深い国です。日本を含めたアジア的な価値観と西洋的な価値観の両方を知る国といえ、日本の将来にとって学びの大きい社会だと考えられます。
 この会では、まずトルコの地域社会学者(トルガ氏)からトルコの地域社会について概説いただいたあと、本学と研究交流協定を結んでいるアクデニス大学の高齢社会研究者(ムラカミ氏)から、COVID-19下のトルコの高齢者の日々についてご紹介いただきます。また日本側からも、同様に、地域社会学者(水垣氏)による日本の地域社会の概説のあと、高齢社会研究者(菅原氏)から、千葉県柏市の高齢化するコミュニティでのCOVID-19下の取り組みについてお話いただきます。
 専門外の方にもわかりやすく、できるだけアットホームな雰囲気で語り合いたいと思います。そうすることで、遠く離れながらも友好的な関係を続けてきたトルコ・日本両国と、そこで暮らす高齢者や地域社会の未来について思いを至したいと考えます。どうぞご参加ください。


・日 時  2021年9月6日(月曜日) 16:30-18:30(終了時刻は予定)
・開催方法  zoomによるオンライン
・言 語  日本語
・参加費  無料
・申込み  事前に<コチラ>より参加登録をお願いします。

  ・登録後、ミーティング参加に関する情報の自動確認メールが届きます。
  ・当日は、その届いたURLをクリックして参加してください。
  ・参加の際の機器や通信の不具合については主催者は責任を負いかねますので、
   その点をご了承の方のみお申し込みください。


<話題提供者(敬称略)とその概要>

 オスジェン、トルガ(トルコ・チャナッカレ・オンセキスマート大学教育学部准教授)
  「現代トルコ(地域)社会をコロナ禍と一緒に考える(仮)」
   まず人口・社会・文化・経済的な観点からトルコやその地域社会の特徴を紹介し、
   移動性vs土着性の観点から見たトルコ社会の特徴について説明します。
   そのあと、COVID-19がトルコの地方に与えた影響について概説します。

 村上育子(トルコ・アクデニス大学ジェロントロジー学部講師)
  「コロナ禍でのトルコの高齢者の生活:アンタルヤの場合(仮)」
   コロナ禍のトルコでは、日本と違って高齢者の外出規制は大変厳しいものが
   ありました。この状況で高齢者の方々はどのように暮らしていたのか、数人
   へのインタビューから分かったことをシェアしたいと思います。

 水垣源太郎(奈良女子大学文学部教授)
  「COVID-19と日本の地域社会(仮)」
   近年の日本の地域社会の現状について概説をしたあと、とくに地方の地域社会
   の課題について説明します。

 菅原育子(西武文理大学サービス経営学部准教授)
  「ICTでご近所をつなごう:柏市布施新町の挑戦(仮)」
   郊外の閑静な戸建住宅地で高齢化率が5割を超える長寿の街、千葉県柏市
   布施新町。COVID-19は離れて暮らす家族世帯との行き来や、様々な地域の
   集まりを困難にしました。町の皆さんは、この困難をチャンスに変えようと、
   ICTで近所をつなぐ取り組みに挑戦しています。
   報告では、町の挑戦について紹介いたします。

<主 催>
   奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所 なら学研究センター

<協 力>
   奈良女子大学文学部なら学プロジェクト

<問合せ>
   なら学研究センター narastudy*cc.nara-wu.ac.jp
    (*を@に変えて送信してください。)

なら学研究会 澤田四郎作部会

 平成30(2018)年度、なら学研究センター主催のなら学研究会は2つの柱で研究活動を実施しています。

 一つは偶数月に行われる「なら学研究会」です。ここでは、奈良に関わる郷土史・研究者の業績や知のネットワークの再評価を広く実施しております。本年度はとくに文学関係の人物に焦点をあて、ゲスト講師を招いて行っています。なら学研究会は、本年度で20回を数えました。

 詳しくは、以下をご覧ください。

narastudies.hateblo.jp

 

 いま一つは、上記の研究会から派生した小規模な作業・研究部会です。いま焦点をあてているのは、奈良県香芝市出身の郷土史家・澤田四郎作です。澤田については、昨年、なら学研究会で冊子を発刊しました。なら学研究会のページから無償でダウンロードしていただくことができます。

 5月16日に澤田部会が行われ、次回は7月18日です。澤田部会は関係研究者だけで実施していますが、成果がまとまり次第、本センターから公開する予定です。

 詳しくは、以下をご覧ください。

 

きたまちディスカッション

 

奈良女子大学も立地する「きたまち」の来し方と行く末を考える「きたまちディスカッション」が、2018年7月16日鼓阪小学校で開催されます。

なら学研究センターも共催し、センター長の寺岡がオープニングトークを行います。

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 猛暑のなか、多くの方が集まってくださいました。

 なら学研究センター(寺岡)は、オープニングトークとして、「きたまち」という町の多様性について語り、人口ピラミッドを提示して、少子高齢化がすすむ街の現状と、よりミクロに見た場合の多様性を伝え、その理由を住民の皆様自身が考えていただけるよう促しました。

 また、社会技術「集落点検」の方法の一つ、二色のカードを参加者に配り、町への考えを即席アンケートの形でとりながら進めました。この方法は参加者の考えがすぐ全員で共有でき、それにもとづいた話し合い・ディスカッションにつながるという利点があります。皆さんあがったカードの色を見ながら、隣の方たちと話をしてくださいました。

 さらに今回特筆すべきことがありました。本センターの重要な仕事の一つである社会技術開発で連携を続けている、東京大学高齢社会研究機構、(一社)高齢社会共創センターの研究スタッフが、当日きたまちの会場に、来てくれたことです。彼らが以前から取り組んでおり、なら学研究センターのメンバーも今年度限定で参画している千葉県柏市の町づくりの社会組織づくり活動の資料や成果物を持参・展示してくれました。熱心に質問を向ける参加者もおり、こうした連携によって、社会の課題解決につながる方法・社会技術が普及し、各地域でより発展していく契機になれば、と思います。また、柏市で取り組まれている「あったらいいな」「もったいない」カードという方法も、今回、きたまちのイベントにおいて試験的に実践することもできました。

その結果の詳細は、奈良市役所のホームページに掲載される予定ですが、きたまちに、図書館や映画館といった文化の場をつくってほしい、という参加者が多かったのはひとつの発見でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

第21回なら学研究会 奈良の文学の小窓から

奈良の郷土史・郷土研究家を回顧・再評価する「なら学研究会」の第21回が、

2018年6月17日午後2時より奈良女子大学で開かれました。

詳しくは、本研究センターの「なら学研究会」専用ブログ(下記)をご覧ください。

narastudies.hateblo.jp

奈良女子大生による奈良に関する研究発表会

 2018年(平成30年)3月22日(卒業式の前日)、奈良女子大学生による奈良に関する研究発表会が行われました。

会場は今年も奈良町の元興寺禅室です。

 学部生や大学院生がそれぞれの研究や社会貢献活動について報告しました。たくさんの町の方がご参加くださり、質疑応答も活発でした。翌日の卒業式・修了式を控え、学生のご家族の方がこられている姿も見えました。奈良で学ばせていただいたことへのささやかな恩返し、もう14回を数える奈良女の3月の風物詩となっています。

(文学部なら学プロジェクト主催・本センター共催)

 

なら学研究センターが新設されました

 これまでなら学プロジェクトは文学部内のプロジェクトとして行われてきました。しかしながら授業(なら学、なら学概論Bなど)は、理学部、生活環境学部の教員も教壇に立ち、年度末の奈良女子生による奈良に関する研究発表会でも3学部の学生が研究成果を報告し、実際には全学的な取り組みとなっていました。

 この度、こうした活動が認められ、奈良女子大学に大和紀伊半島学研究所が新設されるとともに、その傘下に、なら学研究センターが新設されました。

 「なら学」のさらなる発展に向けて、文学部なら学プロジェクトとなら学研究センターは協同歩調をとりながら、より一層奈良の地域との関わりを深めつつ活動を進めていくこととなります。

 

近代奈良の印刷業と岸田日出男に関する2論稿

 『奈良女子大学文学部研究教育年報』第14号に、「なら学特集」として以下の2つの論稿が掲載されました。それぞれ、なら学研究会・談話会で発表いただいたものを、その際の議論も交えつつ文章化していただいたものです。

奈良女子大学学術情報センターのリポジトリから全文をご覧いただけます。

・沢井啓祐「近代奈良の印刷業・試論」

・松田度「岸田日出男の遺したもの―大淀町岸田家所蔵資料から―」